ジェイソン・パジェットさんの例

まずは、実例から。2002年、アメリカ・ワシントン州のタコバでのこと。 家具店の店員だったジェイソン・パジェット(31歳・男性)は、二人の強盗におそわれ、意識を失いました。 打撲と脳震盪で済んだのは不幸中の幸いでしたが、その事件から数日後、世界が…

ショパンのピアノソナタ第2番

「葬送行進曲」といえば、文字どおり、遺体を墓地まで運搬するときの行進曲ですが、日本で最もメジャーなのは、タンタタターン、タタ、タタタタターン (なかなか文字でメロディは表現しにくいですね)‥‥と、死神が舞い降りてくるような、ダメージをくらって…

そして自分が想像する未来

たしか、小学生の頃に、図画工作の授業で「未来を想像して絵を描こう」という時間がありました。当時のSF映画かマンガの影響か、高層ビルが立ち並び、人々が天空で生活しているような絵を、皆こぞって描いたかと記憶しています。ところが、最近の小学生が…

「相手」を思い浮かべて行動すること

アメリカのテレビを、スカパー!などでよく観ています。先日は、アメリカ特有の問題を、心理学のテクニックで解決するという番組がありました。入口に近いからでしょうか、ショッピングセンターの障害者用駐車スペースが、いつも心ない人の車で埋まってしま…

テレビドラマ『薔薇のない花屋』で

「君のやさしさは、すべて作り物だ」と、こんなややきつめのセリフを耳にしたのは、『薔薇のない花屋』というテレビドラマでした。言葉や行動はしばし、裏返る‥‥。ということを実感したのは、僕が大学生時代に、学童保育のボランティアをしていた頃のこと。…

時間があること

15年以上も前のことなのですが、ベトナムの田舎の村に滞在したことがあります。ジャングルにいる仙人に会いに行く、という取材目的がありましたが、軽いマナリアのような症状で動けなくなった為でした。当時、外国人が民間人の家に泊まることは法律で禁止…

分娩室であった畳の部屋で

中学3年生になる息子は、いまでは父親の僕よりも体が大きくなりつつありますが、14年前に生まれたときは、低体重児で、すぐに保育器に入れなければならないほどでした。ただ、その産婦人科病院の方針で、30分間だけ、分娩室であった畳の部屋で、親子3…

いのちの電話のかわりに

僕が20代前半を過ごした家賃1万円の部屋には、住人である僕よりも大きく存在感のある印刷機が、ドン!とありました。それはアパート住人の共有物ではなく、ましてやこの部屋は何かの事務所でもなく、僕が友人から譲り受けた、れっきとした個人の所有物でし…

「戦場のメリークリスマス」をひさびさに観て

時代を越えて残るものは何か、を考えるのが、僕の好きなことです。たとえば「キネマ旬報ベストテン」というお目付役的映画雑誌の、公開年でのランキング。大島渚の「戦場のメリークリスマス」は、誰もが知っている日本映画屈指の名作ですが、公開年である198…

アインシュタインの相対性理論から考えたこと

アインシュタインは、相対性理論を導き出した物理学者として知られていますが、この理論には、<特殊>と、<一般>のふたつがあります。くわしい説明ははぶくと、<一般相対性理論>とは、おなじみのE=MC2、物質とエネルギーは、同じものであることを…

「鎮魂のソナタ」1番&2番

CDで、そのピアノ演奏を初めて聴いたとき、「ピアノを壊す気だ」と、思いました。もちろん、ピアノを壊すことが目的というわけではなく、ピアニストの腕力による力づくでもなく。音そのものの<エネルギー>によって、ピアノがバラバラになるのでは‥‥、と…

ふたりのダメ男のはなし

まずは、ひとり目の男のはなしから。 中学を卒業して以来、日雇いの仕事をやったりやらなかったり。 友人ができても根っからの劣等感から、すぐ暴言を吐いてケンカ別れ。女性を欲望の対象としか見られず、なけなしの金で風俗通い。安アパートの家賃すら払え…

植物の色と、あなたの色について

植物の色は、太陽の光によって変わるものなのだそうです。 ざっくり解説すると、植物は、太陽の光を吸収し、その後、自分に必要のない色を反射し、それが自らの色になっているという仕組みなのそうです。 ゆえに、銀河系のどこかるにある惑星では、太陽の光…

ウエルカム!2014年と見えなかった次元

さて、新年一発目の本エッセイコーナーを、ナゾナゾで始めさせていただきたいと思います。 「太さがゼロなのに、長さがあるものってなぁんだ?」 答えは、<すべて>です。 宇宙物理学の分野で注目されている「ひも理論」からいえば、原子よりも、クォークよ…

甘美であたたかい、無

このエッセイコーナーで何度となく書いている話ではありますが‥‥、たとえば、どっぷり働きづめの日でも、30分ほど休憩をとるだけで一日の疲れがぜんぜんちがうように、人生でただ、一度、ほんとうの砂漠を見ただけで、その後の人生がかわるのではないか、…

いのちのスープと電気ショック

メタン、水素、アンモニアを水蒸気で満たし、火花を放電させると、何ができあがるか、ご存じですか? 答えは、いのち、です。 いのちのもととなる、アミノ酸ができあがるというわけです。 これは、1953年のシカゴ大学で当時大学院生であった、ユーリー・…

存在すること自体に、エネルギーがある

核エネルギーとか、原子力というと、あんまり良いイメージがない昨今ですが、僕がはじめて「原子核融合」の仕組みを知ったときは、ひどく感動したものです(ちなみに、原子力発電は「核分裂」のほうです)。 簡単にいえば、原子核融合とは太陽が燃え続けるエ…

本を編む

一人の画家の無数の作品から一冊の本を編集する、という、編集者にとって幸福な仕事にこの夏、取り組んでいました。 その本とは、すでに本メルマガでも何度か紹介させて頂いてきた、天使の画家アンディ・レイキ氏の作品集です。 アメリカ・サンディエゴに住…

不条理を味方にした者だけが見える世界

ふと気づけば、自分が最近見ているテレビ番組は、ほとんど有吉弘行さんがでているものばかり。たしかに彼は、今のテレビ界を席巻しているわけですが、個人的には自分と同じ年齢ゆえの、シンパシィーを感じているのかもしれません。 そして、テレビで彼を見て…

ほんとうの宝物

「2000円なのに、最高に音質がよいイヤホン」を、テレビ番組で知って、さっそく入手しました。 ほほーう!という具合で、たしかに良い音質です。これまで聞こえなかった低音や、透きとおった高音が、耳の中で音が拡散します。 というわけで、携帯プレーヤー…

1000万度が必要でした!

息子の化学の教科書を覗いてみると、裏表紙には、どーん!と元素表が掲載されています。 酸素や炭素、窒素や水素、そして弊社のウモプラスでおなじみの珪素から、聞き慣れないナントカチウムみたいなものまで、理路整然と並んでいるあの表なのですが、重要な…

主人公のその後の人生を想像したとき

お盆休みの、自宅でのんびりする時期には、名作映画の鑑賞を、ということで、よく雑誌やテレビで、おすすめDVD特集などをやっていますが、「ショーシャンクの空に」が出てくるたび、僕はこの映画を、上映年である1994年の今頃の季節、20歳前の特別な…

インフレーションを起こしてみる!

夏休みに入り、今頃、小学生は自由研究のテーマさがしに張り切っている頃かと思いますが、「宇宙をつくる」のもおもしろいな、と思っています。 諸説ありますが、宇宙はインフレーションという現象から始まったという説が最近、唱えられるようになってきまし…

カオスの国インドで‥

息子が生後3ヶ月のころ、親子3人で、ネパールから北インドのブッタ生誕の地を巡る旅しました。 赤ん坊をつれてインド旅行なんて、どんなに大変だろうと思いきや、ほとんど母乳を飲んで寝てばかりで、なによりホテルやレストラン、路上のインド人たちに、バ…

起死回生のアイディア「僕はここにいる」

二十歳前後の頃なので、もう二十年近く前になるのですが、友人との雑談でさらりと聞いた、誰のことかもわからないある話を、いまでもよく覚えています。 とある大学生の男子が、人通りの多い街の真ん中で、手作りのビラを配っていたという話です。 人を選ぶ…

クラゲはクラウド活用?

水族館にいくたび、クラゲのゾーンは何か異質な雰囲気を感じるものですが、ゆらゆらと心地よさそうに生きているクラゲくんたちは、どこか生きるお手本のような気もします。 それが、最近知ったことに、そのクラゲには、脳がないのだとか。 生き物なのに、脳…

ところで《反物質》って‥‥

「性格の不一致」という言葉がありますが、あらゆる人間関係や結婚生活は不一致を楽しむためにある、というような格言を耳にすることもあります。 とはいえ、宇宙の視点からいえば、楽しむというより、<そもそものはじまり>というほど、欠かせないのが、不…

今日も地球の上に立ちながら

最近、地球の歴史に関する本を読んでいて、もしも地球に、性格というものがあるとすれば、ということを考えると‥‥ 地味で、忍耐我慢強く、けっしてあきらめないお方ではないかと思っています。 宇宙にただよう塵が、引力によって集まりだして星となったのが…

《息子をサラリーマンにしない方法》

‥というタイトルの本が、実家の本棚にはずっと前からあり、いま思えば、僕は、この本の存在を感じながら、少年期をすごし、大人になっていたように思うことがあります。 たしか、著者は、作家にして元東京都知事の石原慎太郎で、現代でいう新書サイズのライ…

「無」というテーマで瞑想をしていて

インド人がゼロを見つけ、「無い」という状態を数字で表したのは、当時、ほんとうにすごいことだったと思います。 たとえば「牛が0頭いたよ」などと言ったら、おかしな人だと思われたわけですから、世紀の大発見といわれるのもうなづけます。 数字のゼロと…