家族エッセイ

分娩室であった畳の部屋で

中学3年生になる息子は、いまでは父親の僕よりも体が大きくなりつつありますが、14年前に生まれたときは、低体重児で、すぐに保育器に入れなければならないほどでした。ただ、その産婦人科病院の方針で、30分間だけ、分娩室であった畳の部屋で、親子3…

カオスの国インドで‥

息子が生後3ヶ月のころ、親子3人で、ネパールから北インドのブッタ生誕の地を巡る旅しました。 赤ん坊をつれてインド旅行なんて、どんなに大変だろうと思いきや、ほとんど母乳を飲んで寝てばかりで、なによりホテルやレストラン、路上のインド人たちに、バ…

カオスの国インドで‥

息子が生後3ヶ月のころ、親子3人で、ネパールから北インドのブッタ生誕の地を巡る旅しました。 赤ん坊をつれてインド旅行なんて、どんなに大変だろうと思いきや、ほとんど母乳を飲んで寝てばかりで、なによりホテルやレストラン、路上のインド人たちに、バ…

うちのトイレにはカレンダーが沢山

先日も、テレビのバラエティ番組で、「トイレにカレンダーを貼り付けておくなんて×、運気が下がることまちがいなし」と、有名な占い師さんが言っておりました。 僕自身、それほど風水を気にするタイプではないのですが、簡単にできることなら、すぐにやって…

夕方頃に動物園を出るや、猛烈に駆け出した

幼ければ幼いほど、子どもは歩く速度で、行きたいところへいくのか、そうでないかがわかります。 たとえば、病院に予防注射にいくときは、いまにも止まりそうな歩みになるのに、お祭りにいくときはいつの間にか小走りになっている、という具合です。 我が子…

幼き日の父は、この山の中で

父の実家は、富山県の山奥の村です。僕が小学生の頃、父にせがんで山釣りに連れていってもらったことがあります。 「最後まで歩けるか? ちゃんと付いてこれるか?」と、出発してからも何度となくハッパをかけられたのですが、その訳は、釣りに行くというの…

キーパーをやっていた息子

さて、卒業シーズンとなりましたが、この3月で、うちの息子こうきも、ひとつの卒業を迎えます。 それは、少年サッカークラブからの卒業でして、こうきはゴールキーパーをやっていました。 いま小学五年で、本来であればあと一年あるのですが、受験に集中す…

サッカー少年たちは、こうして生きる力をつけていく

小学五年生になる息子が、少年サッカークラブに所属しており、週末は、おなじみの子たちの試合を見に行くのが常です。このエッセイのタイトルにある、「涙と出会う場所」とは、その子どもたちの試合会場のことで、チームを問わず、試合に負けた、特にPK戦…

長い旅を終え、ふいに帰省したとき

二十代のころ、ライターとしてアジアの国々を回っていました。旅先はいつも、片言の英語すらも通じない辺境地帯で、当時の僕には、世界がどこまでも広がっているということが、ただただ、新鮮でならなかったのです。生まれ育った富山の田舎が、ひどく小さな…

きっかけはスカパー!でした

ほんの、ここ2年くらい前からなのです。 私の日常生活に、突然降ってきた「神様からのプレゼント」があります。 編集仕事をしているので、締切前は、深夜まで原稿のチェックをしたり、土日もひたすらパソコンの前で仕事ということがあるのですが、仕事場で…

知らないうちに、誰かの“天使”になることもある

我が子たちが、2歳と0歳といういちばん手のかかる歳頃のある一時期、毎日のように、我が家に遊びにくる姉妹がいました。うちのアパートの裏に住む当時、小学生の女の子たちで、いま思えば、ほんとうに不思議なほどに、ほとんど毎日のことで、我が子たちの…

娘ほのかのこと

さて、タイトルにある、我が家のはちまき職人とは、うちの小学一年生の娘のことです。 地味なものづくりが好きな子で、先日は、頭に巻く“はちまき”づくりにハマりだし、さっそく家族の人数分をそろえようと張り切っていました。 父の私も、ちょっとハイにな…

5歳児の一発芸

テレビで一発芸を武器に出演する芸人を見るたび、この人はあと何ヶ月持つだろうとか、テレビに出れなくなっても営業で食っていけるかな、とつい考えてしまいます。 ちなみに、我が家の5歳の娘は「ほのか」という名前のせいか、言葉数も少なく、天然気味かつ…

おじさん

天気のよい日曜日の昼下がり、うちの娘・ほのか(5歳)が極細マジックペンをもって手のひらに絵を描いていた。 「何描いてるの?」ときくと、ひとこと「‥‥おじさん」なんのおじさんかは、いまだ不明。しかも、その絵は、ただの円であった。

オベイカ!

先日、遊園地で手にいれてきた、おもちゃのふわふわハンマーをにぎりしめ、 我が家の5歳にして完成された天然娘・ほのかが、「オベイカ!」となぐるかかってくるのである。「オベイカ!」そう、数分後に気づいたことに、もうそろそろ流行がおわりそうな、 …

やっぱりワールドカップは続いていたのである。

この話しは7/19の続編。今日、娘ほのか(4歳)と電車にのってると、やはり唐突に、「さッかー、かったん?」と訊かれた。適当にうなづくと、「やっぱにほん、つよいで」と得意げなほのか。4歳児の中では、まだW杯は終わらない‥‥。まあ、このやりとりも…

ワールドカップ

さかのぼること4年と一ヶ月、妻・ますみは、準決勝くらいになるまで、ワールドカップが日本で行われていることを知らなかった。あれから四年たち、満を持して尋ねてみた。 「こんど、ワールドカップがどこであるか、知ってる?」 「うーーん、と‥‥、と・り…