旅の記憶
15年以上も前のことなのですが、ベトナムの田舎の村に滞在したことがあります。ジャングルにいる仙人に会いに行く、という取材目的がありましたが、軽いマナリアのような症状で動けなくなった為でした。当時、外国人が民間人の家に泊まることは法律で禁止…
お盆休みの、自宅でのんびりする時期には、名作映画の鑑賞を、ということで、よく雑誌やテレビで、おすすめDVD特集などをやっていますが、「ショーシャンクの空に」が出てくるたび、僕はこの映画を、上映年である1994年の今頃の季節、20歳前の特別な…
誰でも一度や二度は、絶体絶命、という経験があることと思いますが、北陸の田舎町で育った僕の場合、人生最初の絶体絶命は、インドでの一人旅で起こりました。 ちなみに、インドでは、ガイドブックに載っているようなホテルであっても、昼と夜とではまったく…
居心地がよいカフェが、最低でも3軒はある町に住みたい、といつも思っていました。 幸い、うちの近所には、ちょうどよいカフェがいくつもあり、そのうちのひとつの、店内に流れる、しぶいジャスに耳を傾けていると、よく、十数年前に海外に行った頃のことを…
iPodなどのデジタルプレーヤーがなかった頃、よくカセットテープで、お気に入りの曲だけを集めたマイベストを作ったものでした。旅行先では何本ものテープは荷物になるので、旅立つ数日前に、1本のカセットテープに入り切る数十曲を選んで編集することが、…
二十歳、砂漠にあこがれて向かった旅でのこと。中国は北京から古都・西安へ、さらに三泊四日の列車で西のコルラという砂漠の入口の町へ着いてから、僕はタクラマカン砂漠を横断しようと、朝一番のバスへ乗りこみました。 バスが動き出し、わずか数十分で町を…
先日、ホノカ社のオフィスへ商品を買いにきてくださったお客様が、オーラが見える方で、自分のオーラの色を教えてもらいました。紫色のオーラの真ん中に、金色のオーラが縦に伸びているとのこと。この分野の仕事にかかわりつつ、自分のオーラについて情報を…
海外行きの航空チケットを買うと、現地で、帰路のリコンファーム(予約の再確認)が必要になります。帰国何日か前に、現地の航空会社のオフィスに出向くわけです。十年前、僕は一ヶ月のインド旅行をおえ、このリコンファームに出向きました。通常、数分で終…
「想像を絶する」という言葉を聞くたび、個人的に思い出すのは、二十歳の中国旅行で、切符が安かったから、ということで思わず二等列車に乗ったときのこと。西安からタクラマカン砂漠の入口の町コルラまでの三泊四日、固い座席に座りっぱなしでした。じつは…
1996年の春。僕は、ベトナムのジャングルでの不思議な仙人の取材を終えてサイゴンに戻りましたが(前回参照)、帰国までの一週間をサイゴンの安ホテルとオープンカフェでのんびり過ごす生活を送っていました。外国人旅行者が行き交うこの安宿街に、ハン…
はじめての海外一人旅での体験をもとに書いた『世界でいちばん美しい景色のはなし』では、中国人と筆談する中で、運命的な言葉を受け取るという場面を書きましたが、僕はその次にベトナムへ行ったときも、現地のひとたちとの対話に筆談を利用しました。ベト…
海外の旅へ出かける一週間ほど前、持参する本をどう選ぶのが楽しみで、普段は、できるだけ読みやすい本を買ってしまうのに、このときばかりは間逆で、少しでも長持ちできるよう、ぶあつく、字が小さく行間もつめつめの読みにくい本をあえて選んでしまいます…
ノープロブレム(問題ないよ)。この言葉に、何度救われたことかしれません。これは、僕の口癖でもあり、インド人の口癖でもあります。ご存知の方も多いと思いますが、インドを旅すると、物売り、ホテルマン、タクシー運転手と、この「ノープロブレム」をい…
2000年7月、僕は妻と生後四ヶ月の息子を連れて、インド・ネパールへ巡礼の旅に出ていた(ちなみにインド伝承医学では生後四ヶ月でお宮参りをする)。 インドといえば、すぐ思い浮かべるのがカーストという極端な身分制度だが、ネパールでもインドほど根…
二十代のころ、アジアの各地を旅する中で、出会う人がこぞって「YOUはチャンピオンだ」と僕の左手をあげてくれたことがあります。それは、荷物の小ささ。ふつう、安宿街をうろつく旅行者は、背中にドラム缶ほどのバックパックを背負っていますが、僕は小…
旅と自由は、とても相性がいい。1997年、インドのデリーで人身売買の取材をしていた。 もちろん、取材相手はインドマフィア(というかチンピラ)。 小屋に監禁されて、みぐるみはがれたこともあった。といえば、なんだかすごそうだが、 Tシャツ一枚ぬぐ…
もう何年も外国へは行っていませんが、日々仕事と家庭の生活にひたっていながらも、二十歳過ぎの頃、幾度となく異国のへんぴな村を旅した記憶がよみがえってきます。西インドの果ての村を目指して深夜バスにゆられ、ふと気付くと乗客は僕一人になっていまし…
ウルルン滞在記ではありませんが、よく外国へいくと、かつて日本にもあった、温かい人と人とのふれあいを体験した、という声を聞きます。僕がそれをまじまじと実感したのは、十年ほど前、成田から北京を経由してテヘランへと向かうイラン航空の機内でした。…
ウルルン滞在記ではありませんが、よく外国へいくと、かつて日本にもあった、温かい人と人とのふれあいを体験した、という声を聞きます。僕がそれをまじまじと実感したのは、十年ほど前、成田から北京を経由してテヘランへと向かうイラン航空の機内でした。…
もう何年も外国へは行っていませんが、日々仕事と家庭の生活にひたっていながらも、二十歳過ぎの頃、幾度となく異国のへんぴな村を旅した記憶がよみがえってきます。西インドの果ての村を目指して深夜バスにゆられ、ふと気付くと乗客は僕一人になっていまし…