『脱出記』を読んで

何年か前に夢中で読んだ本に『脱出記』(スラヴォミール・ラウイッツ著)というノンフィクション本があります。

ポーランド人の兵士が、ロシアの果ての強制収容所から6人の仲間とともに脱出し、極寒のシベリアや凍ったバイカル湖、灼熱のゴビ砂漠を歩き倒し、ヒマラヤ山脈をぬけてインドへと脱出するという、破天荒すぎる実話です。

その旅の途中で、農場から逃げ出した少女を救ったり、仲間を一人、また一人と失ったりしながらも、ひたすら歩き通す、執念の記録がまとめられています。

ただ、僕がもっとも印象に残ったのは、数年かけて歩き通して、ついに助った後、生き残った仲間たちが皆、何ヶ月も獣のように発狂し続けた、という描写でした。

おそらくは、過酷すぎる体験を頭の中で整理するために、そのような精神状態になるのではないかと思いますが、この体験が、あまりにも過酷であったという証ともいえます。

人は誰でも、日々起こるすべて体験を頭の中でファイリングしながら生きているのかもしれません。

ときに人は、おかしくなったり、あるいは誰かに迷惑をかけるようなことをしてしまうものですが、それも整理しきれなかったものを整理するための行動ととらえれば、そこに許しや理解が生まれるのではないかと思います。

あわよくば、おかしくならずに頭を整理できるようになれば、もちろん、それがベストですよね。

そういうアプローチを、何らかモノからでできないかと考えたのが(オラクルカードや浄化グッズ、本などなど)、うちのオンラインショップでもあります。

当然ながらモノには限界がありますし、あくまで心の整理の一助というくらいの程度ですが、もし「あれ、いまの私っておかしい?」と思ったりしたときは、どうぞホノカ社ショップをごらんください。