2014-01-01から1年間の記事一覧

時間があること

15年以上も前のことなのですが、ベトナムの田舎の村に滞在したことがあります。ジャングルにいる仙人に会いに行く、という取材目的がありましたが、軽いマナリアのような症状で動けなくなった為でした。当時、外国人が民間人の家に泊まることは法律で禁止…

分娩室であった畳の部屋で

中学3年生になる息子は、いまでは父親の僕よりも体が大きくなりつつありますが、14年前に生まれたときは、低体重児で、すぐに保育器に入れなければならないほどでした。ただ、その産婦人科病院の方針で、30分間だけ、分娩室であった畳の部屋で、親子3…

いのちの電話のかわりに

僕が20代前半を過ごした家賃1万円の部屋には、住人である僕よりも大きく存在感のある印刷機が、ドン!とありました。それはアパート住人の共有物ではなく、ましてやこの部屋は何かの事務所でもなく、僕が友人から譲り受けた、れっきとした個人の所有物でし…

「戦場のメリークリスマス」をひさびさに観て

時代を越えて残るものは何か、を考えるのが、僕の好きなことです。たとえば「キネマ旬報ベストテン」というお目付役的映画雑誌の、公開年でのランキング。大島渚の「戦場のメリークリスマス」は、誰もが知っている日本映画屈指の名作ですが、公開年である198…

アインシュタインの相対性理論から考えたこと

アインシュタインは、相対性理論を導き出した物理学者として知られていますが、この理論には、<特殊>と、<一般>のふたつがあります。くわしい説明ははぶくと、<一般相対性理論>とは、おなじみのE=MC2、物質とエネルギーは、同じものであることを…

「鎮魂のソナタ」1番&2番

CDで、そのピアノ演奏を初めて聴いたとき、「ピアノを壊す気だ」と、思いました。もちろん、ピアノを壊すことが目的というわけではなく、ピアニストの腕力による力づくでもなく。音そのものの<エネルギー>によって、ピアノがバラバラになるのでは‥‥、と…

ふたりのダメ男のはなし

まずは、ひとり目の男のはなしから。 中学を卒業して以来、日雇いの仕事をやったりやらなかったり。 友人ができても根っからの劣等感から、すぐ暴言を吐いてケンカ別れ。女性を欲望の対象としか見られず、なけなしの金で風俗通い。安アパートの家賃すら払え…

植物の色と、あなたの色について

植物の色は、太陽の光によって変わるものなのだそうです。 ざっくり解説すると、植物は、太陽の光を吸収し、その後、自分に必要のない色を反射し、それが自らの色になっているという仕組みなのそうです。 ゆえに、銀河系のどこかるにある惑星では、太陽の光…

ウエルカム!2014年と見えなかった次元

さて、新年一発目の本エッセイコーナーを、ナゾナゾで始めさせていただきたいと思います。 「太さがゼロなのに、長さがあるものってなぁんだ?」 答えは、<すべて>です。 宇宙物理学の分野で注目されている「ひも理論」からいえば、原子よりも、クォークよ…