生きることの意味

テレビドラマ『薔薇のない花屋』で

「君のやさしさは、すべて作り物だ」と、こんなややきつめのセリフを耳にしたのは、『薔薇のない花屋』というテレビドラマでした。言葉や行動はしばし、裏返る‥‥。ということを実感したのは、僕が大学生時代に、学童保育のボランティアをしていた頃のこと。…

「無」というテーマで瞑想をしていて

インド人がゼロを見つけ、「無い」という状態を数字で表したのは、当時、ほんとうにすごいことだったと思います。 たとえば「牛が0頭いたよ」などと言ったら、おかしな人だと思われたわけですから、世紀の大発見といわれるのもうなづけます。 数字のゼロと…

ぼうず、目を閉じるな!

幼い頃から鼻炎持ちだったので、耳鼻科に通っていましたが、鼻の奥に金属の管を入れられるのが苦痛で、必死で病院にいくのをいやがったものでした。 打開策として、病院をかえることになったのですが、新しいところは、子どもでもわかるほどに器具が旧式で、…

ウイニングイレブンやってます。

毎夜、仕事が終わった後、自宅に戻ってPS3でサッカーゲームをするのが、ちょっとした息抜きになっています。 コンピューターの人工頭脳を相手に日々、勝負を挑んでいるわけですが、何年たっても‥‥、なかなか勝てていません。 それは、僕のゲームテクニッ…

いちばんワイルドなこととは

日々、テレビで、芸歴十数年の無名だった芸人さんが、突然、ブレイクする様子を見るたび、 「あきらめないかぎり、必ず順番が回ってくる」 という言葉が耳に響いてきます。 もう一つ、うちの息子が幼児だった頃は毎日のように戦隊モノのDVDを見ていたのです…

世界そのものの見方も変わったはなし

僕が小学六年生の頃、父が始めた通信教育の教材として突然、我が家にパソコンがやってきました。 25年以上前のことなので、もちろんインターネットなど夢のはなしで、マウスもハードディスクもない、「無駄におおきな計算機」という代物でした。 そして、…

頭の良い馬は、レースに勝てない

学生時代に陸上部の長距離選手だったせいかどうかはわからないのですが、何かをやり終えようとするとき、ラストスパートという言葉をよく使ったりします。ところが最近、文字どおりの「ラストスパート」を、マラソン中継で見ました。 ロンドン五輪のマラソン…

不思議と運が向いてくる男でもある

二十歳過ぎの頃、「孤独日記」というタイトルの、無名の若者たちのノンフィクション本を書くために、丸一年間、取り組んだ時期がありました。孤独な生き方とは何かを描ききろうという挑戦で、友人知人づてに、人から人へと取材を繰り返していました。 その本…

こうして走ることはけっして無駄でも愚かでもない‥‥

ハムスターは、1日5キロ走る、と言われています。カゴの中の、車輪の中で走る距離です。先日、寿命を全うして手厚く葬ったのですが、我が家のハムスターも、5キロほどではないものの、真夜中にコロコロと音を立てては、回っていました。 この、どこへもた…

やっぱり人間をつくろう!

古今東西の神話を読んでいると、この、今回のエッセイのタイトルである、人間というものをつくっていいかどうか会議している神様のはなしが出てきます。雲の上の神様たちが、さまざまな動物を作った後、最後に、さて人間をつくるべきか、どうしようかと悩み…

リーディング広場を開設して半年

「リーディング広場」とは、オラクルカードリーディングをし合うオンライン上の広場です。参加者がリーディングしてほしい内容を書き込み、そのわずかな文章をもとに、別の参加者がリーディングした結果とコメントを書き込むというものです。当初、立ち上げ…

胸元の名札を見ると、「研修生」の3文字

二四時間営業のうどんチェーン店は、学生の頃からお世話になっています。近所にも一店舗があり、先日も夜中に入ると、見なれぬ店員さんがいました。五十歳すぎの男性で、よく声を出して働いています。遠くから見ても、店のエネルギーをあげるようなパワーが…

「アメトーク」はすごい番組で

とにかく自分には文章を書くくらいしかできることがなく、フリーランスで物書きの仕事をしていた二十代の頃、ひとつ仕事を終えるたびに、文字通りのフリーに戻り、ひたすら次の仕事を待つという不安定な日々を過ごしていました。 いまで言うリストラ状態を、…

困難な仕事に取り組む際…

大阪から東京へ、よく出張していますが、その際、新幹線で行くか飛行機で行くか、いつも悩んでいます。時間帯によっては運賃はほとんど変わらず、飛行機は早く着くけれど、新幹線はゆりかごのようにぐっすり眠れる、メリット&デメリットもそれぞれで、じつ…

何のために書くのか

中学3年生の頃、「地域の老人宅の訪問」という行事があり、友人四人と、見ず知らずの老人宅へおじゃましたことがありました。 80歳近いおばあさんで、資産家だった夫が死んでから三十年ほど、一人で大きな家に住んでおられ、案内されたリビングには、大き…

もっとも走りにくいキャッチャーが全速力で

小学生の頃、家族で名古屋へ旅行にでかけたことがありました。 メインイベントは、名古屋球場でのプロ野球観戦です。当時の田舎の男子小学生の興味といえば、ほとんどプロ野球くらいしかなく、僕も例外にもれず、毎夜、巨人戦をテレビで観ていました。 そし…

もっとも走りにくいキャッチャーが全速力で

小学生の頃、家族で名古屋へ旅行にでかけたことがありました。 メインイベントは、名古屋球場でのプロ野球観戦です。当時の田舎の男子小学生の興味といえば、ほとんどプロ野球くらいしかなく、僕も例外にもれず、毎夜、巨人戦をテレビで観ていました。 そし…

路上の花園

大学を中退して仕事をしていなかった頃のこと、アジアのストリートチルドレンを援助するNPOの事務所へ通って、書類や会報づくりなど手伝っていました。 おおよそ週1回のペースで2、3年ほど。その事務所は、大阪府池田市にありました。大阪駅から阪急電…

“愛”がない原住民のはなし

なにげなく見ていたテレビ番組によって、人生を大きく変えるような気づきをもらうことは、案外よくあるものです。 もうすぐ2000年になるという数日前の1999年12月末、ある南米の原住民の村を日本人の女優が訪れるというテレビ番組を見ていたときのこ…

親の影響から離れるための映画だ

ちょっといまさらな話題ですが、史上まれなほどの酷評を浴びているアニメ映画「ゲド戦記」、私たち夫婦もちゃっかり見にいきました。冒頭、王子アレンが、父である王を殺すシーンがあります。 映画そのもの出来は、とりあえず置いておいて、原作にはない、酷…

運命を逆転させる秘策

ずいぶん前に、近所のシャッター商店街の一店舗で営業している、中年男性の占い師さんに、じつになにげなく未来を当てられた、という話を書きましたが、その占い師さんのドアをたたいたのは、いままでの人生のうちでもっとも暇であった一時期のことでした。…

『脱出記』を読んで

何年か前に夢中で読んだ本に『脱出記』(スラヴォミール・ラウイッツ著)というノンフィクション本があります。ポーランド人の兵士が、ロシアの果ての強制収容所から6人の仲間とともに脱出し、極寒のシベリアや凍ったバイカル湖、灼熱のゴビ砂漠を歩き倒し…