2013-01-01から1年間の記事一覧

甘美であたたかい、無

このエッセイコーナーで何度となく書いている話ではありますが‥‥、たとえば、どっぷり働きづめの日でも、30分ほど休憩をとるだけで一日の疲れがぜんぜんちがうように、人生でただ、一度、ほんとうの砂漠を見ただけで、その後の人生がかわるのではないか、…

いのちのスープと電気ショック

メタン、水素、アンモニアを水蒸気で満たし、火花を放電させると、何ができあがるか、ご存じですか? 答えは、いのち、です。 いのちのもととなる、アミノ酸ができあがるというわけです。 これは、1953年のシカゴ大学で当時大学院生であった、ユーリー・…

存在すること自体に、エネルギーがある

核エネルギーとか、原子力というと、あんまり良いイメージがない昨今ですが、僕がはじめて「原子核融合」の仕組みを知ったときは、ひどく感動したものです(ちなみに、原子力発電は「核分裂」のほうです)。 簡単にいえば、原子核融合とは太陽が燃え続けるエ…

本を編む

一人の画家の無数の作品から一冊の本を編集する、という、編集者にとって幸福な仕事にこの夏、取り組んでいました。 その本とは、すでに本メルマガでも何度か紹介させて頂いてきた、天使の画家アンディ・レイキ氏の作品集です。 アメリカ・サンディエゴに住…

不条理を味方にした者だけが見える世界

ふと気づけば、自分が最近見ているテレビ番組は、ほとんど有吉弘行さんがでているものばかり。たしかに彼は、今のテレビ界を席巻しているわけですが、個人的には自分と同じ年齢ゆえの、シンパシィーを感じているのかもしれません。 そして、テレビで彼を見て…

ほんとうの宝物

「2000円なのに、最高に音質がよいイヤホン」を、テレビ番組で知って、さっそく入手しました。 ほほーう!という具合で、たしかに良い音質です。これまで聞こえなかった低音や、透きとおった高音が、耳の中で音が拡散します。 というわけで、携帯プレーヤー…

1000万度が必要でした!

息子の化学の教科書を覗いてみると、裏表紙には、どーん!と元素表が掲載されています。 酸素や炭素、窒素や水素、そして弊社のウモプラスでおなじみの珪素から、聞き慣れないナントカチウムみたいなものまで、理路整然と並んでいるあの表なのですが、重要な…

主人公のその後の人生を想像したとき

お盆休みの、自宅でのんびりする時期には、名作映画の鑑賞を、ということで、よく雑誌やテレビで、おすすめDVD特集などをやっていますが、「ショーシャンクの空に」が出てくるたび、僕はこの映画を、上映年である1994年の今頃の季節、20歳前の特別な…

インフレーションを起こしてみる!

夏休みに入り、今頃、小学生は自由研究のテーマさがしに張り切っている頃かと思いますが、「宇宙をつくる」のもおもしろいな、と思っています。 諸説ありますが、宇宙はインフレーションという現象から始まったという説が最近、唱えられるようになってきまし…

カオスの国インドで‥

息子が生後3ヶ月のころ、親子3人で、ネパールから北インドのブッタ生誕の地を巡る旅しました。 赤ん坊をつれてインド旅行なんて、どんなに大変だろうと思いきや、ほとんど母乳を飲んで寝てばかりで、なによりホテルやレストラン、路上のインド人たちに、バ…

起死回生のアイディア「僕はここにいる」

二十歳前後の頃なので、もう二十年近く前になるのですが、友人との雑談でさらりと聞いた、誰のことかもわからないある話を、いまでもよく覚えています。 とある大学生の男子が、人通りの多い街の真ん中で、手作りのビラを配っていたという話です。 人を選ぶ…

クラゲはクラウド活用?

水族館にいくたび、クラゲのゾーンは何か異質な雰囲気を感じるものですが、ゆらゆらと心地よさそうに生きているクラゲくんたちは、どこか生きるお手本のような気もします。 それが、最近知ったことに、そのクラゲには、脳がないのだとか。 生き物なのに、脳…

ところで《反物質》って‥‥

「性格の不一致」という言葉がありますが、あらゆる人間関係や結婚生活は不一致を楽しむためにある、というような格言を耳にすることもあります。 とはいえ、宇宙の視点からいえば、楽しむというより、<そもそものはじまり>というほど、欠かせないのが、不…

今日も地球の上に立ちながら

最近、地球の歴史に関する本を読んでいて、もしも地球に、性格というものがあるとすれば、ということを考えると‥‥ 地味で、忍耐我慢強く、けっしてあきらめないお方ではないかと思っています。 宇宙にただよう塵が、引力によって集まりだして星となったのが…

《息子をサラリーマンにしない方法》

‥というタイトルの本が、実家の本棚にはずっと前からあり、いま思えば、僕は、この本の存在を感じながら、少年期をすごし、大人になっていたように思うことがあります。 たしか、著者は、作家にして元東京都知事の石原慎太郎で、現代でいう新書サイズのライ…

「無」というテーマで瞑想をしていて

インド人がゼロを見つけ、「無い」という状態を数字で表したのは、当時、ほんとうにすごいことだったと思います。 たとえば「牛が0頭いたよ」などと言ったら、おかしな人だと思われたわけですから、世紀の大発見といわれるのもうなづけます。 数字のゼロと…

僕が唯一知り得たこととは

文章を書くようになった高校生の頃からずっと、ネタ帳を抱えて過ごしてきました。 かっこいい言い回しや言葉の意外な使い方など、「書く」ために必要だと思われるもろもろを、チャック付きの大型手帳に書き留め(もはや手帳とはいえないほどのサイズでしたが…

エジプトのピラミッドの石は‥‥

エジプトのピラミッドを観に行った人に聞いた話なのですが、意外にも、積み上げられた無数の石は、形も大きさも、ばらばらなのだそうです。 ピラミッドといえば、正方形の巨石がきれいに積み上げている……というイメージがあったのですが、実際は、奇妙でじつ…

《複雑な方が最先端でスゴい》は古い!

十代の頃は、しゃにむにSFの映画やマンガを見て、宇宙に思いをはせていました。ストーリーはもとより、宇宙船にのって宇宙を旅する、という設定自体に憧れたものでした。 それが、最近になって、当時夢中になっていたSF映画を観直し、宇宙船の操縦席を見…