初めての占いでズッコケた

最近、細木数子さんが占いで芸能人を一刀両断しオロオロさせる‥というテレビ番組をよく見かけます。この細木さんに代表されるように、芸能人、大企業の社長や政治家などは、高名な占い師を抱えて助言をもらっているという話をよく聞きます。

どちらかといえば占いには懐疑的な僕ですが、じつは一度(一人)だけ、お金を払って占いをしてもらったことがあります。

関西の不況の象徴としてしばしばマスコミに取り上げられる近所のシャッター商店街(3軒に2軒はシャッターが閉じている)の一角に、その占い師は事務所を構えていました。僕は会社をやめた直後、さてこらからどうしたらよいものかという時期に、ふらりと訪ねたのでした。

ちょっと勇気をだして中に入ると、古本屋のオヤジのような、頼りなさそうな寝癖のおじさんが座っています。

「これから仕事をどうしたらいいか」
と聞くと、あくまで占星学に基づいて客観的なことを話してきます。細木数子さんとまったく対局の占い師です。そして最後に、

「あなたは近い将来、物流業、モノを動かす仕事をするでしょうね」
と唯一、断定的なことを言ってきました。

これまでライター・編集者としてやってきた僕としては、
「なにいってるんだ、このおじさんは‥‥」
という感じでした。

それが、あれから4年、いま僕がやっている仕事は、オンラインショップで物を売り、出版社として自社の本を出荷することです。

本当にうまいラーメン屋の店は汚い、の法則のごとく、あの占い師も、大阪の町の一角で占いというものを極めてきたのかもしれません。

シャッター商店街と揶揄された通りは、いまだに閉じた店舗の多さは変わりませんが、そのシャッターに近所の子供たちが絵を描くという企画が催され、歩くだけでも楽しい商店街になっています。