世界でいちばん美しい景色

フリーダムワーカー、と名乗っておきながら、僕はそれほど自由な身とはいえない。

会社を経営している以上、日曜も企画書を書いていたり、夢にも仕事のことがでてきたり、朝起きたとたんに連絡を忘れていたことを思い出してあわててメールを打つ‥‥という具合。

つまり僕は、フリーダムワーカー、と名乗っておきながら、多少の立場のちがいはあれど、世のサラリーマンや自営業者さん達と、大差ないといえばないのだ。

それなのに何故「フリーダムワーカー」と名乗り、その名をブログサイトに付けたのか‥‥。

むかし、『ベン・ハー』という古代ローマものの映画をみたとき、たぶん自分は地下牢に監禁されていた前世がある気がした。とはいえ、それ以上はなにもわからないのだが、「不自由」な状態がとにかく放っておられない体質で、すこしでもその不自由な状態を変えるということが好きなのだと思う。

以前からすこしずつ準備してきた、新サイトを今夜、さりげなく公開。

世界でいちばん美しい景色

あのとき一瞬の思いがあるだけで一生を生きていける、というほどの体験を「景色」にしぼって投稿をあつめていくサイトだ。

このサイトをたちあげ、運営していくことが、僕の中の不自由な部分を自由にしていく、ひとつのアクションである。自由になることは、なにかを捨てたり一人になったりすることではない。自分のやりたいことを実現する中で自分のことを解き明かしていく作業でもある。

たぶん、僕が前世で牢獄に監禁されていたのだとしたら、その暗闇の中でいつも思い浮かべていたのは、自由であった頃にみた、美しい景色であったのかもしれない。