白、これ以上ないほどの白

一週間に一度ほど、ホノカ社の事務所に、お客さまがいらっしゃるときがあります。いろいろ話を聞かせていただくのですが、「ごくふつうに、天使が見えるんです」という話を伺うのも、日常的です。

それも「子どもの頃からずっと見えていたものが、天使だったんだ、とこのカード(エンジェルオラクルカード)と出会って判りました」というケースがほとんどです。こういう話を聞くと、日本人に天使を身近にしてくれた、ドリーン・バーチュー博士のカードや書籍は、とても大きな意味があるように思えてきます。

ちなみに、僕は、天使を見たという経験はじつに一度もありません。しかし、いま振り返れば‥‥、ということが一度だけありました。

6年ほど前、原因不明の倦怠感で寝込みだし、1週間ほどたっていたときのこと。いえ、原因不明というのはなかば言い訳で、じつのところは、将来への不安と、自分自身への自信のなさで精神が押しつぶされ、身体までも動かなくなったような感じでした。

当時の自分といえば、就職した会社も、わずかな期間で逃げるように離職し、子連れの無職人といった状況でした。

寝込みながらも、どうにかならないかと考えて1週間、もうこのまま「不安死」するのではないかと本気で考え始めてしまったとき、サテンのようにきらきらして美しい白い布が目の前におおいかぶさってきたのでした。

目を閉じているのに視界はこれ以上ないのほど真っ白。いま、思い出してもあれくらい白いものは見たことがない、というほどの完璧な白でした。

あのとき、じつは、天使の羽根の部分だけ見てたのかも‥‥、と先日、ふいに実感したのです。

とはいえ“羽根”しか見られなかったのは、自身の心の曇りのせいだろうな、と考えていると、その瞬間、ふと耳元で姿のない声が聞こえ‥‥

「わたしたち天使が、羽根で抱きしめていたからですよ」

‥‥ビックリしました。

ともかくも、こうして僕は、いまでも天使の姿を見たことがないままなのです。