1000万度が必要でした!

息子の化学の教科書を覗いてみると、裏表紙には、どーん!と元素表が掲載されています。
酸素や炭素、窒素や水素、そして弊社のウモプラスでおなじみの珪素から、聞き慣れないナントカチウムみたいなものまで、理路整然と並んでいるあの表なのですが、重要なものと教わりつつ、残念ながら、いまではたいして覚えていません。
ちなみに、近年の研究によると、一部の例外をのぞいては、かつて、この地球上では、元素ができたことはないそうなのです。
というのも、元素が生まれるためは、1000万度という、とてつもない高熱の環境が必要らしく、ビックバンとか、恒星の核融合反応とか、寿命がつきた恒星の大爆発とか、そんな宇宙のお祭りというべき、特別なときにしか生成されないのだとか。
特に金や銀など重い元素は、恒星の最後のお祭りである、超新星爆発のときにだけ生成され、隕石の落下によって、地球に存在しているわけです。
宇宙が生成したさまざまな元素をもとに、人間は文明社会を育んできたわけですが、こういう事実を知ると、個性豊かな元素を生んでくれた遙かな宇宙に対して、感謝を捧げたくなります。
そして、もし、中学生の頃の小難しい化学の授業で、こんな壮大な宇宙のロマンを聞いていれば、元素表もすぐに覚えられたかもしれないし、あるいは、いま、ぜんぜんちがう仕事をしているのではないか、なんて考えたりもするのでした。