身ぐるみはがれたときが本当の自由だ

旅と自由は、とても相性がいい。

1997年、インドのデリーで人身売買の取材をしていた。
もちろん、取材相手はインドマフィア(というかチンピラ)。
小屋に監禁されて、みぐるみはがれたこともあった。

といえば、なんだかすごそうだが、
Tシャツ一枚ぬぐくらいである。
しかも、どうせこういうこともあろうかと、
盗られる用のお金しか持ってきていないので、
はい、どうぞ、あげますよ〜という感じである。

盗るものも盗ると、彼らは、やさしかった。
チャイ(インド風ミルクティー)がでてくるのである。
めずらしい外国人と話しをしたくてたまらないのである。
「ジャパンって、キリスト教?それともイスラム教?」
「インドへの航空券っていくら?」
「YOUって、ガンジーに似てるね!」
という具合。
「日本で、殺し屋って、一回いくら?」
という質問もあった。

僕もとっとと帰ればいいのだが、なにかあると思って居座るのである。
すると、ご飯をごちそうになったこともある。
(ちょうど僕がとられたお金分だったりして)。

これが僕の「みぐるみはがれた」体験である。
もちろん、本当に危険を感じたときは、馬よりもはやく逃げた。

旅と自由というのは、とても相性がいい。
というか、この場合、けっして「旅」とはいいがたいかも。

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