どこかの、家、道、町‥‥。

夢の中でしか行けない本屋があります。

そこは、殺風景な新興住宅地にある、本屋ともいえないような小さな本屋で、特別な本が置いてあるわけでもなく、何かの分野に特化しているわけでもなく。ただ、年に何回かの深い眠りの中で、その本屋へ歩いていく夢を見るのです。
不思議と、中に入っても、そこに置いてある本を手にしたり読んでみたりはせず、狭い店内をうろうろして帰ってしまうだけ。
夢判断の本を開くと‥‥「本屋」は「情報収集や身辺整理が必要なことを示している」とのこと。うーん、いまいちピンとこないと思い、先日もまた、夢の中で、その本屋へ行くために歩いていると‥‥、
「ああっ!」っと、頭の中でランプが光ったような感じで、ひとつのことに気づきました。
ここは、町だったのです。セカンドライフ(仮想世界ウェブサイト)のように、言わば、自分の夢の中でしか存在しない町。この町でしかすれちがわない人がいたり、あちこちに家が建ち始めていたり、一角に公園ができていたりと、月日とともに変化しています。
つまり僕は、眠りの中で、この仮想の町を散歩しつつ、この町の本屋に立ち寄っていた、というわけです。
これはあくまで自分の想像の産物なのか、いや、町ほどの規模だから、この“夢の町”を、他の複数の住人と共有しているんではないか、とも考えてしまっています(まるでアカシックレコードの町版!)。
だから今度、その町で誰かとすれちがったら、迷わず声をかけてみようと目論んでいるところです。

そしてこの件にからんでもうひとつの仮説が。
人にはひとつ、夢の中でしか行けない場所がある‥‥。どこかの、家、道、町‥‥。
梅雨時の寝苦しい夜が続きますが、どうぞ、今夜の夢の中でご検証ください。