サッカー少年たちは、こうして生きる力をつけていく

小学五年生になる息子が、少年サッカークラブに所属しており、週末は、おなじみの子たちの試合を見に行くのが常です。

このエッセイのタイトルにある、「涙と出会う場所」とは、その子どもたちの試合会場のことで、チームを問わず、試合に負けた、特にPK戦ではずした子たちが、声をあげてわんわんと泣いている姿をよく見かけるのです。

大人からすると、毎週のように試合があるじゃないか、とも考えてしまうのですが、子どもたちは、そのいつもの試合で、泣いてしまうほどに、とにかく一生懸命なのです。

PK戦は運が左右することが多く、はずした子を責めるような子は誰一人いません。いつ自分がその立場になるかわからないからです。

それでも、負けた責任を感じてか、ただ悔しくてか、やっぱりまだまだ子どもらしい表情で目を赤くしてベンチにさがり、お弁当の時間になっても、まだ膝を抱えて泣いている姿を目にします。

僕はそんな子をよく、遠目から眺めているのですが、チームメイトが、一人また一人と、じつにさりげなく「次がんばろうや」とか、「気にすんなよ」と声をかけていくのが常です。

サッカー少年たちは、こうして生きる力をつけていくのだな、と感じながら、泣くほどに一生懸命になれることができるのは、子どもの頃だけなのかな、いや、そんなことはないぞ!と、週末ごとに思うのです。