大阪モノレールの駅の構内でのこと

大阪モノレールは、我が町から、伊丹空港や、岡本太郎太陽の塔で有名な万博公園などへ通じているので、よく利用しています。

各駅の待合室には、ちょっとリッチなスペースがあり、自動販売機とけっこうしっかりしたソファとテーブルが並んでいるので、僕はあえて電車を一本遅らせ、このラウンジでカップコーヒーを片手にくつろぐのがちょっとした楽しみでもあります。

もっとも、通勤通学で行き来する人にとっては、あまり関係のないところのようで、このスペースは、ほとんど利用されていません。

そういう貸し切り気分の中、その日の夜十時過ぎも、ひとりでコーヒーを飲んでいたのですが、今夜はなぜだか、二つ隣のテーブルに、たくさんのロウソクの炎が見えました。

仕事帰りといった感じの、二十代後半の女性四人が、ケーキを囲んで、ハッピーバースディーを歌っています。次々とプレゼントを渡し、主役を囲んで写真をとり、四人それぞれが楽しそうに談笑しながらケーキを分け合っています。まるで「SEX AND THE CITY」の四人組のようでした。

この駅は、いくつかの路線のハブでもあり、四人全員がうまくそろう場所がここだったのかもしれません。毎日遅くまで仕事、明日の朝も早い、というおきまりの忙しさの中でも、負担なく、友人の誕生日のその日に、少しでも長くいられる場所が、この駅のスペースであったと。

この四人は、きっと十年後、二十年後も、きっとどこかで集まって、こうして友の誕生日を祝っているのだろうなと想像しながら、僕は、ちょっとリッチなカフェタイムを終えて帰宅したのでした。