全国レベルの少年サッカーチームを見た

 うちの息子が少年サッカーチームに入っているので、週末は、ほぼ試合会場に出向いています。いつもは我がチームの試合が終わればそそくさと帰るのですが、その日は、昨年度の全国大会出場チームが出てくるということで、観戦することにしました。

 少年サッカーという分野ではありますが、「全国レベルとは、何がどうちがうのか」ということを、間近で確かめてみたかったのです。

 それが、ちがいは、試合が始まって、ほんの一瞬でわかりました。

 ものすごい声です。選手11人全員が、たえず仲間を鼓舞し、指示を出して、つまりはずっとしゃべって叫びながら試合をしているのです。それは、もううるさいといってもいいくらいで、試合後半でへろへろになっていても、声は、まったく途切れることはありませんでした。

 相手チームは、Jリーグのチームの下部組織で、テクニックがあり、じつは前半で先制点を奪われてしまうのですが、声を出し続けるこのチームは、まったくあせることもなく、組織的な攻めで同点に追いつき、その勢いで逆点して、試合を終えたのでした。

 試合後、着替えているところをみると、体中に極太マジックペンで「必勝」と書いている子もいました。ずっと、選手たちだけでミーティングをしています。少年サッカーにありがちな、コーチの長い話が延々と…という様子はまったく見られません。

 そういえば、お昼に、知らない子たちが僕にあいさつしてきたなと思っていたのですが、このチームでした。彼らは、見ず知らずの大人たちにも、すれちうときにちゃんと「こんにちは」とあいさつをするのです。

 この日、僕が見た“全国レベル”とは、サッカーがうまい子たちのチームではなく、ひたすらエネルギッシュでポジティブな集団でした。どんな方法でチームを作り上げているのか…、指導者の力は、計り知れないところです。

 その一端をかいま見たところでは、やはり〈声〉がカギになっていると思います。仲間へのかけ声、まわりへのあいさつ、自分への(身体に書く)声‥‥。

 これは、けっして少年サッカーだけに当てはまることではないはずです。どんなときも声をかけあうという単純な習慣が、家庭、仕事、人間関係、恋愛においても、“秘訣”となり、成功の法則のベースとなるのではないかと感じたのでした。