キーパーをやっていた息子

さて、卒業シーズンとなりましたが、この3月で、うちの息子こうきも、ひとつの卒業を迎えます。
それは、少年サッカークラブからの卒業でして、こうきはゴールキーパーをやっていました。
いま小学五年で、本来であればあと一年あるのですが、受験に集中するため、一年早くの「卒業」となります。
息子のこうきはじつにチビ、ちょいデブ、メガネと、キーパーの適正の真逆の3大要素をかねそなえた子なのですが、ボランティア運営の弱小サッカークラブ(関係者のみなさん、すみません!)ということもあり、けっこう試合に出させてもらっていました。
さらに一学年上の選手が少ないことで上級生とばかり試合をしていたために、世界でいちばん点を入れられているゴールキーパーではないかと思うくらい、毎度、パカパカと点を入れられたものでした。
ボールが一度も、相手の陣地には行かない、というのはいつものことで、最後の砦となるべきキーパーは、悲惨な役回りでもありました。
この誰もやりがたらないキーパーというポジションを、いつからか、こうきが自分から手をあげてやっていたことを知ってから、父である僕は、毎週末、大阪府下で行われる試合会場へと、足を運ぶようになっていました。
あいかわず、開始数分で点差をつけられているのが常でしたが、完全に勝敗が決まった試合においても、猛スピードでドリブルしてくる相手選手に、頭から飛び込んでいくこうきの姿を見ていました。
誰よりも泥だらけになり、「攻めろ!」と、まだまだ子どもらしい甲高い声で仲間に声を張る姿を見るたび、僕は親としてどんなに誇らしいと思ったかしれません。
この何年か、まさか、自分の子に「あきらめないということ」を教えられるとは、想像もしませんでした。もうすぐ始まる新年度へ向けて、今日もはりきっていこうと思います。