現実的な効果があるプレゼント

深夜まで編集仕事をし、そのまま夜が明けて、朝のニュースを観ながら眠りにつく日々ですが、その時間帯のニュースで知ったことに、タイラー基金という団体が行っている「ビーズ・オブ・カレッジ・プログラム」があります。

小児がんの子どもたちたちが、治療をひとつ終えるたび、勇気を持って頑張った証にカラフルなビーズをもらうプログラムで、この注射はこの色のビーズという具合に、各々の治療の達成を象徴する、カラフルなビーズが用意されています。

自分で紐に通したビーズの数々を首からさげた子どもたちは、みんな「見て、見て」とほこらしげにはしゃぐそうです。

日本での子どもの病気による死亡原因の第一位が小児がんであるという現実をふまえれば、このビーズが、治療中の子たちにとって、文字どおり、命をつなぐビーズとなっていることが容易に想像されます。

このプログラムはアメリカの医療現場から生まれたものですが、心の支えである以上に、子どもたちが自らの回復力や抵抗力を高めるための、人間の持つ治癒力に根ざした方法でもあります。

つまり、現実的な効果がある、ということです。

こういう話を聞くと、目標を定めて、その過程を記録や形に残して確認することが、どれだけ重要かを、改めて思い知らされます。

思えば、子どもの頃はよく、カレンダーに「あと○日」と書き込んだり、「ここまでできた表」みたいなものを作ったものでした。

大人になった今では、子どもじみたことのように思ってしまうのですが、ビーズプログラムのような方法は、私たちが何かに取り組む際にも、きっと有効なはずです。

そして、そのためには、きれいなビーズのように、ちょっとしたご褒美を用意しておくのが、外せないポイントであるようです。