カオスの国インドで‥

息子が生後3ヶ月のころ、親子3人で、ネパールから北インドのブッタ生誕の地を巡る旅しました。
赤ん坊をつれてインド旅行なんて、どんなに大変だろうと思いきや、ほとんど母乳を飲んで寝てばかりで、なによりホテルやレストラン、路上のインド人たちに、バケツリレーのように抱っこされ続けたおかげで、意外なほど楽な旅でした。
いま振り返っても、なぜ生後3ヶ月の赤ん坊を抱えてわざわざインドへ行ったのか、さっぱりわからないのですが、子連れのおかげで、たくさんの現地の人たちと接することができました。
まるで自分の子のように抱きあげるインド人たちのやわらかい表情が、いまでも忘れられません。
さて、その赤ん坊だった頃にインドに連れていかれた我が息子は、いまでは12歳です。
小学生に入った頃から、一緒に遊ぶ友達が、じつに多様なことに、いつも驚かされてきました。暗い子から、知的な子、暴れん坊なタイプの子まで、じつに包囲360度の友人関係といったかんじでした。
小学生の高学年になると、派閥っぽいものができ始めるものですが、その派閥をゆるゆると横断し、我が家にはいつも誰かしらが遊びにきて、私たち親は名前も覚えきれないほどでした。
こんな子になったのは、生まれてすぐ、カオスの国インドで無数の人に抱っこされた刺激のせいではないか、となんとなく僕は思っているのです。