「無」というテーマで瞑想をしていて

インド人がゼロを見つけ、「無い」という状態を数字で表したのは、当時、ほんとうにすごいことだったと思います。
たとえば「牛が0頭いたよ」などと言ったら、おかしな人だと思われたわけですから、世紀の大発見といわれるのもうなづけます。
数字のゼロと同じように、空気がない状態=「真空」を発見して真空状態を作り上げたことも、文明を大きく発展させるきっかけとなったのだと最近、知りました。
トーマス・エジソンが世界で最初に実用化した電球は、フィラメントを真空状態においたことで成立したものですし、真空管のテレビをはじめ、真空の発見なくしては現代文明はありえなかったといえます。
この「無」を見つけるということは、どこか、人生にもあてはまるものがある気がします。
たとえば、若者が、自分には何の経験も能力もない、と気付いたときから、ほんとうの成長が始まるように‥‥。

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と、こんなことを考えはじめた最近、自分のまわりの、あるいは、自分の中の「無」をさがす、というインナーワークを、こっそり始めています。
なんだか禅問答のようにも似ている感じなのですが、「無」というテーマで瞑想をしていて、ふと浮かんできたのは‥‥、なぜか、真空の宇宙を、猛スピードで飛び回る地球でした。
ふだん気付かないものですが、地球は太陽の回りをまわっているわけで、調べたところ、その速度は秒速29.78kmだそうです。
新幹線「のぞみ」は秒速83mですから、早すぎて想像もできませんが、抵抗がない真空でただ疾走する地球はなんともかっこよく思えてきます。
電車マニア、飛行機マニアのような感じで、地球マニアになりそうです。
無の世界とは、じつは自由で、激しいところなのかもしれません。